由緒:
通称 湯島天神、明治から平成12年までは湯島神社、現在の正式名称は湯島天満宮。学問の神様である菅原道真公が祀られていることから学業成就や合格祈願に訪れる学生で賑わいます。泉鏡花の婦系図の舞台としても知られています。
東京都文京区にある湯島天満宮は、東京都江東区亀戸の亀戸天神社、東京都国立市の谷保天満宮とともに関東三大天神のひとつにも数えられています。
創建年は雄略天皇2年(458年)1月、雄略天皇の勅命により力や技芸の神である天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を祀る神社として創建されたと伝えられています。天之手力雄命は日本神話に登場する男神で、太陽神天照大神が引き籠もっていた天岩戸の扉を開け、その手をとって外へ引き出した、名の通り腕力や筋力を象徴する神様であり、またスポーツの神様としての信仰も集めます。
正平10年(1355年)2月には菅原道真公が祀られます。
至誠、厄除け、学問の神様としても篤く信仰されている道真公は同時に文化の神様でもあり、和歌・連歌・歌舞伎・書画や文芸・芸能・芸術とも深い関わりがあり、江戸時代には寺子屋の普及と共に子供の守り神としても慕われるようになります。古くから雷は天神として崇められてきたことから農耕、豊穣の神様でもあります。
文明10年(1478年)10月に太田道灌(おおた どうかん)により再建が行われ、徳川家康公が江戸城に入り豊島郡湯島郷の内御朱印五石を寄進し以降歴代将軍より篤い崇敬を受けます。
境内では宮芝居や植木市、富突などが行われ、江戸町人の憩いの場として栄えました。富突は富籤や富くじ(とみくじ)、富とも呼ばれ、今でいう宝くじのようなもので、谷中感応寺や目黒不動とともに江戸三富と言われ盛り上がりました。
文京区指定文化財に板絵着色 野見宿禰と当麻蹶速図額装や奇縁氷人石など。
摂社に天之手力雄命を祀る戸隠神社、末社に宇迦之御魂神を祀る笹塚稲荷神社があります。
社殿は平成7年(1995年)12月に再建された純木造の権現造で万全の防災設備が整えられています。
長野県長野市に分社があります。