由緒:
「おせんげんさま」の名で親しまれる静岡浅間神社「しずおかせんげんじんじゃ」は
神奈備・賎機山(しずはたやま)の麓に位置する浅間神社 (あさまじんじゃ)、
神部神社(かんべじんじゃ) 、大歳御祖神社 (おおとしみおやじんじゃ) の三社の総称です。
一説に火山を表すといわれる「あさま」という語源に文字を当て浅間、
後世「せんげん」と呼ばれるようになりました。
4万5千平方メートルの広大な境内には御本社神部神社・浅間神社・大歳御祖神社の他、
麓山神社・八千戈神社・少彦名神社・玉鉾神社があります。
漆塗りに極彩色の立川流彫刻や組物が施された壮麗な社殿群は東海の日光と称えられ、
神部神社浅間神社の23棟は 重要文化財に指定されています。
史蹟に賎機山古墳、古文書や書・絵画、武器や調度品、楽器など多岐に渡る宝物が残ります。
全国に約1300社ある浅間神社の一社で、駿河国総社、静岡の総鎮守として広く信仰を集めます。
総本社は富士宮市にある富士山本宮浅間大社です。
長谷通り側・石鳥居正面にある比翼三間社流造りの社殿右側、
神部神社(かんべじんじゃ) の創建は約2100年前、第十代崇神天皇の御代と伝えられています。
主祭神に延命長寿・縁結び・除災招福の神である大己貴命(おおなむちのみこと)、
別名 大国主命を祀り、瓊々杵命と栲幡千々姫命と東照宮を配祀します。
社殿左側には平安時代・延喜元(901年)醍醐天皇の勅願によって、富士山本宮浅間大社より
分霊された木之花咲耶姫命を主祭神とする冨士新宮・浅間神社 (あさまじんじゃ)が鎮座します。
同じ社殿の中に二つの神社があります。
木之花咲耶姫命は瓊々杵命の妻で、安産・子授け・婦徳円満の神として信仰されています。
瓊々杵命とその母神である栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)を配祀します。
浅間通り側の赤鳥居正面、大歳御祖命(おおとしみおやのみこと)を主祭神とする
大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)の創建は、
約1700年前の第十五代応神天皇四年と伝えられています。
雷神を配祀し、古くは奈古屋神社と称されました。
大歳御祖命は倉稲魂神・大年神の母神で別名を神大市比売命といい、
安倍川河畔の古代の市場であった安倍の市(静岡県)の守護神で、
農・漁・工・商業等諸産業繁栄の守護神として信仰されています。