由緒:
日南市鵜戸の日向灘、その断崖に面した岩窟内に本殿が存在する当社は、崖に沿って階段を下る、神社としては珍しい「下り宮」という形になっています。
当社の主祭神は日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)で、彦火火出見尊と豊玉姫命との御子です。
身重になった豊玉姫命は「海原で生むことは出来ない」とこの地に参られ、急いで霊窟に産殿を造り始めたものの、屋根を葺終わらないうちにご誕生されました。
そのため、御名をひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと、といいます。
古くは鵜戸権現と呼ばれていましたが1868年(明治元年)神仏判然令によって権現号を廃されたため、翌2年、鵜戸神社と改称し、7年には神宮号が宣下され、今の社名になりました。
岬周辺には奇岩、怪礁が連なり、極彩色の社殿は美しい景勝地として人気があります。
また、宮崎県南で最も有名な神社で、縁結び、夫婦和合、安産、漁業、そして航海の神様として知られています。
本殿前にある霊石は亀石といい、豊玉姫命がこの地へやってきた際に乗ってきた亀が石化したものとされ、石頂に枡形の穴が空いています。
その穴に男性は左手から、女性は右手から「運玉」を上手く投げ入れることができると、願いが叶うといわれています。