由緒:
日前神宮・國懸神宮は、同じ境内にあり、創建2600年以上を溯る歴史のある神社です。
日前神宮は日像鏡を御神体として日前大神を、國懸神宮は日矛鏡を御神体として國懸大神を、それぞれ奉祀しています。
岩戸隠れの伝説に深いかかわりがあります。
神代、天照大御神が天の岩窟に御隠れになられた際、思兼命の思慮に従い種種の供物を供え、天照大御神の御心を慰め和んで頂くため、石凝姥命を治工とし、天香山から採取した銅を用いて天照大御神の御鏡を鋳造しました。
『日本書紀』には、初めに鋳造された天照大御神の御鏡 前霊(日像鏡・日矛鏡)を日前國懸両神宮の御神体として、後に鋳造された御鏡(八咫鏡)を伊勢の神宮の御神体として奉祀されたと記されております。
天孫降臨の際、天道根命を紀伊国造に任命し、二つの神鏡を賜り、紀伊國名草郡毛見郷の地に奉祀されたのが起源であるといいます。
その後、崇神天皇51年、名草郡濱ノ宮に遷宮され、垂仁天皇16年には名草郡萬代宮(現在の場所)に遷宮され現在に至ります。