由緒:
福の神として崇敬されている えびす様をお祀りしている西宮神社は、全国に約3500社ある えびす神社の総本社で、神仏霊場巡拝の道の67番目の霊場でもあります。
祭神には第一殿に えびす大神 [蛭児大神]、第二殿に 天照大御神、大国主大神、第三殿に 須佐之男大神をお祀りしています。
西宮のえびす様は神戸の和田岬沖で発見された御神像が西宮の漁師によってお祀りされ、御神託によりそこから西の西宮にお祀りされたのが起源といわれています。
「えびす」 は、夷、戎、蛭子、恵比須、恵比寿など沢山の表記があり、えべっさんやおべっさんの呼び名で親しまれています。七福神の一柱で、渡来の神様の中で唯一日本古来の神様です。漁業の神、福の神、商業の発展とともに商売繁盛の神としての信仰も集めています。創建時期についての詳細は分かっていませんが、平安時代後期の文献には度々「戎」が記載されています。
売繁盛を願う十日えびすは全国的にも有名で、9日の宵えびす では献湯式、宵宮祭、居籠(いごも)り、10日の本えびす では開門神事福男選びが行われます。11日は残り福と呼ばれ、この9〜11日の3日間を十日えびすと言います。神前には お賽銭を貼り付けると「お金が身に付く」招福大まぐろと鯛が奉納され、毎年100万人に及ぶ参拝者で賑います。
本殿は江戸時代寛文3年(1663年)に四代将軍 徳川家綱の寄進の三連春日造(さんれんかすがづくり)で国宝でしたが、昭和20年の空襲によりなくなってしまいますが、昭和36年にほぼ元通りに復興されます。西宮神社表大門とその左右に連なる大練塀は重要文化財に指定されています。