由緒:
埼玉県北西部の御獄山の山麓に鎮座しているのが当社です。
当社は社殿背後の御室山(御室ヶ獄)を神体山として祀っているため、社殿には本殿を設けないという、古代祭祀の面影を今も残しています。
武州六大明神(武蔵六所大明神)の一社にも数えられている他、境内の参道脇に立つ多宝塔が国の重要文化財に、御獄山の中腹にある鏡岩が国の特別天然記念物に指定されています。
特別天然記念物である鏡岩は約一億年前にできた断層跡であり、断層がずれた際の摩擦で磨かれ、光が当たると鏡のように光ると有名で、一見の価値ありです。
社伝によると、日本武尊が東征の際、伊勢神宮で叔母の倭姫命から授けられた、草薙剣と火鑽金のうち火鑽金を御霊代として御室山に納め、天照大神と素戔嗚尊を祀ったのが創建とされています。
ですが、実際は採鉱や製鉄集団によって祀られたのが本当の創祀とされており、当社の社名である「かなさな」の語源は「金砂」と考えられています。
なお、本来社殿は今より約400mほど南の元森神社であるとされ、遥か昔はここから御室山が遥拝されたとされています。