由緒:
岐阜公園の南側、稲葉山、別名を金華山の麓に位置する美濃国三宮の伊奈波神社は岐阜市民の産土神であるともいわれ、県内では初詣に訪れる人が最も多いと言われています。
毎年17日に新年の無病息災を願い、正月飾りや縁起物を燃やす伝統的な左義長(さぎちょう)神事では、左義長の火で焼いた餅を食べると1年間病気をしないと言われています。
創建は景行天皇14年と伝えられており、1900年以上の長い歴史を持つ神社です。
主祭神に第11代 垂仁天皇の第一皇子で第12代 景行天皇の同母兄の五十瓊敷入彦命(いにしきいりひこのみこと)、配祭神に主祭神の妻の淳熨斗媛命(ぬのしひめのみこと)、主祭神の母の日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)、主祭神の外祖父の彦多都彦命(ひこたつひこのみこと)、主祭神の功臣の物部十千根命(もののべのとちねのみこと)がお祀りされています。五柱の神様は伊奈波大神とも呼ばれます。
五十瓊敷入彦命は河内、大和、摂津、美濃など各地で800に及ぶ池溝を造り土木事業を行い、これにより産業、農業が発展し豊かになりました。また、茅渟の菟砥川上宮【うとのかわかみのみや(大阪府泉南郡阪南町 菟砥川流域)】で劔(つるぎ)1千口を作り、石上神宮(いそのかみじんぐう)に納め管理をし、有事に備えました。薨去の翌年の景行天皇14年には武内宿禰(たけしうちのすくね)によって稲葉山北西の椿原(現在の岐阜公園内の丸山)に祀られました。
天文8年(1539年)には斎藤道三が稲葉山に稲葉山城を築城する際に現在地に遷座しました。
水を防ぐ信仰の神社であり、近年は家内安全、商売繁盛、初宮詣、七五三詣、安産、交通安全、土建、水利などでの参拝も多いようです。
末社に大行事社・右御前社・峯八王子社・金社・大神門社・髙山社・品部社、野宮八幡社・総神社・祖會路神社・兒御前神社・大国主神社・楠神社、黒龍社、和歌三神社、須佐之男神社、天満神社、東照宮、いなば大黒社、楓稲荷神社、吉備(きび)神社、秋葉神社、金山神社・愛宕神社、松尾神社、摂社に峯本宮(神社南山中)、境外摂社に丸山神社があります。